看取りケアに関わる介護職の役割

人生の最終段階にある利用者と向き合うことになる看取りケアは、訪問介護の分野において介護職の大事な仕事である。いわゆる終末期を迎えている利用者が必要としているのは、病気の治療や延命、肉体的苦痛の緩和だけではないことが多い。そのため、看取りケアは医療職だけでなく介護職も必要とされている。そこで、訪問介護に関わる上で、看取りケアで介護職に期待されている最も大切なこととは何かを考えることが大事だ。一口に看取りといっても、利用者が求めることは様々である。その中で看取りケアに関わる介護職は、利用者や家族の気持ちを聴く力に重点を置くことも大切だ。

利用者の気持ちは時間が経つとともに変化するケースが少なくない。その時々の悩みや苦しみを和らげ、本当に望んでいることは何か、それを叶えるにはどうするべきか、介護職は利用者の本心に近づくことが重要だ。それには、聴く力が必要ということになる。介護職の中でも、訪問介護にかかわるホームヘルパーは、在宅で人生の最期を迎える人にとって最も身近な専門職の一人である。聴く力を養うことは、よりよい看取りを実現するために大事なことだ。具体的には、利用者の望む形で療養生活を送れているのか、苦しみにしっかり寄り添うことができているか、利用者が伝えたいことを把握してじっくり耳を傾けられているのかなどを意識するのがポイントである。これらのポイントを考え、利用者に心の面からも寄り添い支えることができる介護職の存在は、看取りケアを行う上で大変重要である。